そして、どうしても1点が欲しい最終回7回の表。
先頭タクがストレートの四球を選び、ベンチのムードが盛り上がる。
シュウトが代打に立ち、初球を確実に送りバントで1死2塁。
ここで1番ワダに戻り、3球目にセーフティバントを見事に決め、盗塁もあり1死2・3塁の大チャンス。
内野の頭を越えれば一気に逆転も考えられる場面でバッターはユキト。
2-3からの6球目、とらえた打球は1塁へのゴロになってしまったが、タクのスタートが良く、この間にホームを駆け抜けてついに土壇場で同点に追いつくことができた。
次のタケで勝ち越したいところだったが、右方向へうまく打ち返した打球は惜しくもセカンドライナーとなって追加点は奪えなかった。
ようやく同点に追いついたが、1点を取られてしまえば終わりという7回裏。
キャッチャーがシュウトに代わり、同点に追いついた勢いからか、ユキトの球が再び走り出す。
この回は連続三振を含む、三者凡退で切り抜け、1-1のまま大会規定により、抽選となった。
球場全体が固唾を飲んで見守る中、両チームがホームプレートを挟んで整列すると勝利チームが宣告された。
「飯能一小!」
去年敗れた相手と互角に戦い、レベルの高い戦いができたものの、春先の桜山戦に続き、またしても抽選という壁にはじき返されてしまった。
6年最後の公式戦が抽選負けという結果に終わってしまったことが残念であるが、チーム全員一丸となって最後まであきらめることなく、戦ったその姿は市の川の後輩たちに強い印象を与えたことだろう。 |