2014年に誕生から90周年を迎えた甲子園球場。
阪神の本拠地として、そして高校球児のあこがれの場所として知られるが、それだけではなく、思わず「?」が浮かぶ不思議なスポットや出来事があふれています。
■アルプス下に温水プール
かつて、三塁側アルプスの下側には室内温水プールがあった。32年に建設され、1年を通して水温25度に保たれた近代的プールは、多くの人を驚かせたという。まだ温水プールが東京に1件しかない時代でもあり、しかも時間によっては一般向けに開放されていた。
関西の水泳界にも好影響を与えた先進的な施設だったが、次第に戦争の影が忍び寄る。日中戦争の勃発以後はボイラー用の重油の確保に苦しみ、太平洋戦争中の43年に閉鎖。88年には大煙突も取り壊され、面影をしのぶことはできない。ちなみに、一塁側には室内体育館が建設されていた。 |