試合を想定してのバッティング練習にて
キャプテン優登がバッターボックスに入りました。
ピッチングマシンから出た球をフルスイングしましたが、打球は高いセカンドフライ
打球を目で追う以上に、私はその後の選手たちの走塁に注視するのですが、
優登の走塁は
「残念」「悔しい」「情けない」「恥ずかしい」
といろんな気持ちを抱えながらの、ダラダラ走塁でした。
選手たちに普段から伝えていること
どんなにバッティングや守備の調子が悪くても、「声」と「走塁」は調子の良い悪いはありません。
彼がファーストベースを駆け抜けた後、私は彼のところまでいき、注意を促しました。
「なぜ全力疾走しないのか?」
「審判がアウトと言う前に、ダラダラ走塁で、セーフになる可能性を捨ててしまうのか?」
「もしセカンドの守備が、フライボールをファンブルするかもしれない」
彼だけでなく、他の選手にも聞こえるように強く大きな声で、彼をきつく叱りました。
私のあまりの叱咤に、優登の目には涙が・・・
その後の彼の涙をながしながらの全力疾走に、仲間たちの応援声援はものすごかったんです。
他の仲間たちもそのことを受け、全力疾走が加速していくかの如く・・・
先ほどの同じ状況下での優登の全力疾走走塁で、ファーストベースを駆け抜け、間一髪セーフになったキャプテン優登を、私は強く強く抱きしめました。
できるのに全力で挑まない選手。そんな選手に私はいつも覚悟を決め叱ります。
野球が上手になるならない以上に、人として大切なこと。
私がグラウンドで、誰かにまた何かに叱っていると、決まって優登は
「あいつだけが叱られてるんじゃない。俺たち全員が叱られているんや!」
と仲間たちに葉っぱをかけてくれます。
公式戦の仲間たちへの声援も、彼が私の次に緊張している仲間に
「SMILE SMILE」「笑って笑って」
といった声援を、そして思いを送ってくれています。
そして公式戦、優登の声援は
声がかれるまで、仲間のために・・・
思いは必ず伝わる。諦めなければ・・・
伝わるまで、何度でも何度でも・・・
手を変え、品を変え・・・
伝染してくものなんです、思いって・・・
いつもそう気づかせてくれる子供達、感謝でしかありません。 |