2013.10.23 |
江藤省三の少年野球塾G「デッドボールのよけ方」 |
【質問】デッドボールのよけ方があれば教えてください。
【答え】150キロものスピードで硬球が頭にでも当たれば命にかかわります。
プロ野球では頭に当たるような投球を「危険球」として、その投手を退場処分にしています。プロでは春季キャンプでデッドボールのよけかたを練習しているチームもあります。
頭の近くや体に向かって来るボールに対してはしゃがんだり、跳びはねたりして逃げるしかありませんが、体すれすれのインコースの場合は、打ちにいくのと反対方向に体をひねる(回転する)のが、うまい逃げ方といわれています。
私たちのころはユニホームをだぶだぶに膨らませてベースに近づいて故意に当たりにいくこともありましたが、いまは認められません。野球規則六・〇八に「投球がストライクゾーンで打者に触れた場合には、打者がこれを避けようとしたかどうかを問わず、すべてストライクが宣告される」とあります。
また、ストライクではない球でも打者がよけようとしなかったら、たとえ当たってもデッドボールではなく、ボールが宣告されます。かつてはベンチから「逃げるな、当たりにいけ」と言ったりしていましたが、いまではよける技術をマスターする練習の方が必要になって来ています。
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2013.10.23 |
江藤省三の少年野球塾F「バントが苦手です。うまくなるコツは」 |
【質問】僕はバントが苦手でいつも失敗します。うまくなるコツはありますか。
【答え】どのチームも、バッティングや守備の練習に比べると、バントの練習は少ないと思います。でも、バントは練習すれば誰でもうまくなりますから、もっと練習量を増やしてほしいものです。
バントには、いろいろな種類がありますが、今回は、送りバント(ストライクバント)の基本を教えましょう。右打者を例に説明します。
(1)学童のバットは主に78〜80センチだと思いますから、左手はグリップエンドから15〜20センチ、右手はヘッドより20〜25センチの位置に親指と人さし指でVの字をつくるように握ります(2)ボックスの投手寄りに立ちます。フェアゾーンを広く使えるため成功の確率が高くなります(3)学童はストレートだけなので、両足を開いて投手に正対し、体を正面に向けて構えます。ストライク、ボールの見極めがやさしくできます(4)膝と腰を軽く曲げてリラックスする。両腕を軽く曲げ、バットはなるべく地面と平行にする(5)目とバットの距離は近い方がいい。高めのストライクゾーンにバットを構え、それより下のボールをバントする。
バットに当たるまで目を離さないことが大事です。送りバントは自分がアウトになって走者を進めることが目的ですから、確実に転がしてからスタートしましょう。
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2013.10.23 |
江藤省三の少年野球塾E「盗塁、けん制などの二塁手の動きは」 |
【質問】二塁手です。盗塁や投手からのけん制を受ける場合、二塁ベースにはどのように入ればいいですか。遊撃手との連係も教えてください
【答え】二塁手にはイニング、点差、アウトカウント、打順など、試合の状況によってさまざまな役割があり、バントシフトや重盗防止、カットプレー、ダブルプレーなど、たくさん覚えなければならないプレーがあります。一度にすべては書ききれないので、いくつか例を挙げて二塁手の動きを教えます。
<走者一塁の場合>無死一塁では、バントのケースを考えて守備位置を決める。一塁ベースカバーの準備で、やや一塁寄りに守るため、盗塁に対し二塁ベースに入るのは遊撃手にまかせる。
<盗塁で二塁手がベースに入る場合>余裕があるときはベースをまたいで走者のスパイクの前にグラブを置いてタッチする。間一髪のときは足を払いのけるようにタッチしてアウトのアピールをする。ベースの前に出て捕球してはいけません。タッチを避ける走者に対して追いタッチになってしまいます。
<けん制プレーの場合>二塁走者に対面して、ベースをまたいでタッチする。投手、遊撃手とのサインプレーで行います。投手のターンやボールの速さはそれぞれ違うので、二塁手が各投手の特徴を覚えてベースに入るタイミングを合わせます。投手の特徴をつかむのも大きな役目です。
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2013.10.23 |
江藤省三の少年野球塾D「ストライクを思い切り振り抜け!」 |
【質問】守備は自信があるのですが、全然打てません。どうしたら打てますか。
【答え】バッティングは3割打てれば一流と言われるほど難しいものです。高校・大学とレベルが上がると、細かい基本もマスターしなければなりませんが、今、君がやることはストライクの球を全部打ちにいくことでしょう。
例えば、3打席で9個のストライクを全部振ったとき、そのうち1回が当たってヒットになれば打率3割3分3厘で一流の仲間入りです。バッティングは「バットを振ること」からスタートするのです。そして「絶対に打つ」という強い自信を持って打席に入ることが大切です。
今できる基本的なことを教えます。(1)ヘッドアップをしない=スイングでは頭を動かさないでボールを良く見る。頭が動くとボールから目が離れ、当たる確率が低くなる(2)肩と腰を水平に回転させる=肩が上がったり下がったりすると、バットが波を打つ(3)ステップは小さく踏み出す=ステップが大きいと目線がぶれる。また前に突っ込みやすく腕だけのスイングになる(4)最後まで振り抜く=頭を動かさないで振り抜けば、バランスを崩さずいいフォロースルーができる。インパクトの瞬間から前足でしっかり踏ん張って思い切り振り抜きましょう。以上を忘れずに素振りをしてください。
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2013.10.22 |
江藤省三の少年野球塾C「速い球とコントロールをつけたい」 |
【質問】学童大会からピッチャーになりました。もっと速い球とコントロールをつけたいのですが、家でできる練習はありますか。
【答え】速い球とコントロールの良さは好投手の条件です。そのために正しい投球フォームを覚えることが大切ですが、グラウンドでは個人練習はなかなかできないので、家での練習も必要です。家でできる一番いい練習はシャドーピッチングでしょう。
体重移動やバランス、タイミング、さらにリリースポイントを覚えることができます。正しいフォームづくりには最適です。狭いスペースでもできますが、鏡やガラス戸など自分の姿が映る場所があればベストです。やり方を教えます。
(1)投げ込む目標(印をつける)を決める=キャッチャーをイメージしてもいいのですが、始動からフィニッシュまで、その目標から目を離さないようにする(2)自分の姿を正面に映し、その肩幅の中でピッチングをする=前や後ろに倒れたり反ったり、あるいは腕が体の外へ大きく出たりしないこと(3)目標に向けて真っすぐステップをする=開いたりクロスしたりしないこと(4)目標(印)の上を手が通過するようにする=いつも同じ軌道であれば正しく腕が振れている証拠で、コントロールがつきます。
シャドーピッチングは肘や肩にかかる負担が少ないので、小学生のフォームづくりには特に効果があります。
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2013.10.22 |
江藤省三の少年野球塾B「打撃で右肩が下がらない改善法は?」 |
【質問】少年野球のころから、バッティングのときに右肩が下がっていると指摘されてます。改善する方法が分からず、そのままです。修正するための練習方法などを教えてください。
【答え】右打ちですね。君の打撃フォームを見ていないのではっきりとは言えませんが、トップの位置が低く極端なアッパースイングなのではないかと思います。指摘してくれた指導者は、どうして改善する方法を教えてくれなかったのでしょうか。
右肩が下がるということは、逆に言うと左肩が上がるということです。いろいろな原因が考えられます。(1)ボールを斜め下から見ている(2)重心が後ろにかかり、右足が折れて左膝が伸びている(3)バックスイングでヘッドが投手寄りに深く入っている(4)トップの位置が低い−などです。
修正方法を教えます。バックスイングから左足が着地(ステップ)したときのバットの位置をトップと言いますが、(1)このときの両肩を地面と平行に保つ。この時点で右肩が下がらないように意識してスイングをする。まず、ここから始めましょう(2)巨人の坂本勇人選手のようにトップの位置を高くする。トップを高くするか、右肘を張る(上げる)と右肩は下がりません(3)バックスイングでヘッドを深く入れない(4)ダウンスイングをする。
プロ選手でもヘッドが下がったり、バットが遠回りしたりするときは、ダウンスイングで両肩を平行にして修正しています。やってみてください。
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2013.10.22 |
江藤省三の少年野球塾A「「すぐ内野に返せ」なぜですか?」 |
【質問】中学硬式野球のセンターです。フライやゴロを捕ったときに、すぐに内野に返せと言われますが、なぜですか。ランナーがいなくてもすぐ返すのですか。
【答え】プロ野球の外野手などがゆっくりと内野に返しているのを見ると、こんな疑問がわいてもおかしくないですね。特にランナーがいないのに「早く返せ」と言われたら、どうして? と思うのは当然です。しかし、たとえランナーがいなくても、いるときのケースを考えて準備をしなければなりません。外野手はホームから一番遠いので、少しでも早く内野手に返球するのが基本なのです。
走者がいるときのセンターのプレーを考えてみましょう。(1)走者一塁の場合=センター前ヒットによる三塁への進塁を防ぎます。(2)走者二塁の場合=シングルヒットで絶対に得点を許さない守備をしなければなりません。ゴロに対しては全速力でダッシュします。そのスピードが速ければ、走者も三塁でストップするからです。1点を争うときはダイレクト送球でも構いませんが、低い送球を心掛けてください。(3)走者三塁の場合=フライによるタッチアップへの対処ですが、1、2歩うしろから勢いをつけて素早くカットマン(内野手)に送球します。
このように外野手はいろいろなケースで素早く返球しなければなりません。だから常に早く返球する訓練をしておくことが大切なのです。
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2013.10.22 |
江藤省三の少年野球塾@ [右手をうまく使えるようにするには] |
【質問】右打ちですが、打つ時に右手が弱いと言われました。そのせいか、左手にはマメがあるのに右手にはありません。右手をうまく使えるようにするにはどうしたらいいですか。
【答え】右打ちの人は左手のひらには大きなマメができますが、右手には親指と人さし指の間や指の関節に少しできるくらいが一般的です。中には、あぶら症のためにマメが全くできない人もいます。体質によってまちまちですから、あまり気にする必要はないと思います。
右手の使い方ですが、構えからバックスイングまではバットを軽く握り、トップでしっかり握ってインパクトの瞬間に左手とともにグリップを絞って打ちます。その時に、右手はボールの勢いに負けないように押し込む感じでボールを打ち払います。しかし、あまり強く握りすぎると手首が固くなってスムーズな動きができません。軽すぎず、強すぎず、バットを自由自在にコントロールできる握りを自分で探してください。
インパクトの瞬間に右手を押し込む練習は、昔はタイヤたたきで覚えましたが、最近はそのような設備はほとんどありません。私の大学では(プロもそうですが)、ボクシングのサンドバッグを球場内につり下げて、いつでもたたけるようにしています。それ以外ではスタンドティーで練習をしています。数多く打つことで感覚を覚えることができます。
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